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2017.11.17

WELQ問題で変わった?Webメディアの現状

WELQ問題で変わった?Webメディアの現状

2016年秋に勃発した、いわゆる「WELQ(ウェルク問題)」からおよそ1年。Webメディアにおけるさまざまな問題点が浮き彫りになり、それに関わる人たちの間でWebメディアに対する見方や仕事の取り組み方が変わっていきました。果たして現状はどうなのでしょうか。Web・紙いずれのメディアでも活躍するディレクターの見解をお伝えします。

WELQ問題から1年……

DeNAのキュレーションメディアプラットフォーム「DeNA Palette」の医療・ヘルスケア情報のキュレーションメディア「WELQ(ウェルク)」が端を発し、キュレーションメディアの大騒動が起こったのが2016年の秋。

それから約1年がたちました。

騒動が起こる前から、Webメディアは「ライターの時給が法外に安い」「内容が不正確で責任の所在が明らかでない」「著作権を無視した行為が横行している」とささやかれていました。
しかしながら、「それがWebの世界」と黙認されていたところがあります。
なぜなら、大企業を中心に、それで利益を得る企業に力があったからです。その方法でないと利益がでない仕組みだったともいえます。

WELQの一件は、業界内の仕組みにメスを入れることになりましたが、その後、変化はあったのでしょうか。
 

「ライターのギャランティ」は上がったか

WELQの実態調査に第三者委員会が入ったことと、そして内部告発者によって、WELQを含むDeNAの9メディアについての記事の作り方が明らかにされました。

それを見た紙媒体及びWebメディア関係者の多くが「なるほど、そういうやり方なら、あの記事本数を配信できるわけだ」と膝を打ったものです。
一方、出版業界にいる人間にとっては「なめられたもんだ」です。

しかし、逆に言うと、今回は、医療、ヘルスケアという、命に係わるセンシティブなジャンルだったからこれだけ問題になりましたが、それ以外なら、DeNAのやり方でも十分Webでは通用するのでは? と考えた関係者も少なくないのです。

つまり、まだまだ「ライターのギャラは据え置き」というメディアが多いのが現状です。DeNAがライター起用に利用していた求人サイトにも、未だに「1文字0.1円、3000字以上、初めてでも簡単にできる仕事です」という内容でライター募集が何件もあります。

一方、ファクトチェックの重要性と信頼性を認識したWebメディアでは、「ライターフィーが安いから、クオリティの低い原稿しかあがってこないんだ」「修正に時間をかけるくらいなら、優秀なライターを起用したい」「今抱えているライターを育てよう」という意識が高まったのも事実です。

とはいえ、ここも微妙なのです。

Webメディアが現状で考えている「優秀なライター」の「優秀」さが、プロのライターたちが考えている「おもしろくてためになり、ほかの人には書けないもの」ではなく、「誤字脱字がなく、固有名詞などの表記が正しく、自分の記事で使用する画像の許諾がきちんととれること」
さらには、「薬機法などの法律も十分理解して原稿に反映できること」なのです。

むろん、出版社で仕事をしている編集者、ライターは当然のこととして理解しているものですが、それでもミスは発生します。
だから校閲が入るのです。

でも、Webメディアでは、未だ「誰が言ったかが明らかになっていれば責任はその人になるからいいんじゃない?」「監修を立てれば、OKでしょ」という甘い認識があります。
そのため、「もっとちゃんと書けるので、ギャラを上げてください」という交渉は、なかなか難しいというのが現状です。

なぜなら、記事をサーバにアップしている人間が「この人の原稿は誤字脱字、機種依存文字が多くてファクトチェックと文字修正で1時間かかる」と思っている人からギャラ交渉の問い合わせがあっても、お断りするからです。求められていないのです。

しかし、その一方で、そういった方とのお付き合いをやめる分、本数が足りなくなるので、これまできちんと(というのは締め切りを守る、誤字脱字レベルですが……)原稿を上げてきた方に、「ギャラを上げるので、執筆記事本数を増やしていただけないか」と問い合わせするという事実も出てきています
 

記事の信用度は上がったのか

ライターのギャラが据え置きのままで、内部の人間の作業は膨大になりました。方法はどうであれ、過去の公開記事が「まっとうなのか」のチェックは、ほぼすべてのWebメディアが行っている作業のひとつといっていいと思います。
そして、不適切なものは削除、および非公開としています。

記事のチェックにしても、ダブル、トリプルチェックの仕組みを構築しているところが多くなっています。
そのため、少数精鋭(精鋭?)で編集・営業を切り盛りしていたWebメディアは、手が足りなくて更新が遅くなったり、止まったり、閉鎖になるところも出てきています。

一方で、校閲に重点を置いたシステムを再構築しているWebメディアもあります。
単純な文字のゆらぎなどを、AIに任せるのです。

一概に「内容が信用できる」とはいえませんが、「手をかけて、誠意をもって真面目につくっている記事が増えた」「注意深くつくるようになった」ということはいえると思います。

今までは、「ワードプレスの知識さえあれば、だれでも簡単につくれて、収益を生み出せる」と考えられていたのがWebメディアでした。
筆者も「ひとりでニッチなWebメディアをつくってIT会社にバイアウトした」「今も3人でまわしているが、それなりの収益がある」というWebメディアをいくつも知っています。村田マリさんがつくってDeNAにバイアウトしたiemoもそれに近かったですよね。

しかし、「その儲けの仕組み」は、これからどんどん時代に取り残されていくでしょう。
これからは、出版社が培ってきた「まっとう」なやり方、そして、それが実行できる人、いいと思う人が生き残るのではと思います。

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